じめじめとして、気持ちまでゆううつになる梅雨の季節。
湿気が多いこの季節と深い関わりがあるのは、消化器である「脾」です。
脾は湿気の影響を受け易いので、どうしても食欲不振、下痢、吐き気、胃もたれなどの症状があらわれやすくなります。

胃腸があまり丈夫ではない人にとっては梅雨はつらい
季節です。
胃腸の機能低下を放っておくと、食中毒に対する抵抗力を低下させることにもなります。まずは、体の中の湿気を追い出し、胃腸の機能を高めることが重要です。
そのためには、冷たい飲み物、刺身や生野菜、果物、生卵などの生もの、その他冷蔵庫で冷やした飲食物はできるだけ避けて、なるべく温かくて消化のよいものを食べるようにしましょう。

なお、毎年梅雨になると胃腸病を患ったり、体が重くだるい、頭が重い、関節痛、むくみ、ぜんそくなどの症状が出やすい人は、体内によぶんな湿気が滞っている証拠です。そういった人は、梅雨時だけでなく普段から食生活に気を配ることが大切です。

この時期におすすめの食材は、「芳香化湿」作用、つまり「よい香りで体の中の湿気を発散させる」紫蘇やウイキョウ(フェンネル)などが有効です。
また、冬瓜、スイカなどには、体に必要な潤いを補いながら余分な湿気を取り除く働きがあります。
※この食材は、晩夏の胃腸の疲れにも使うことが出来ます。

湿度の高いときに毎日飲むお茶には、緑茶やはとむぎ茶のようにあっさりしたものを選ぶとよいでしょう。
緑茶に紫蘇を加えた「紫蘇入り緑茶」は、梅雨時の湿気払いにはぴったりの飲み物です。

       ~薬剤師 鳥居英勝~