妊娠中の飲酒は危険です。胎児の先天性欠損の原因となるほか、流産の可能性を高めます。

アルコールは母体の胎盤を通過し、胎児の血液循環に進入します。この有害物質は胎児の中枢神経系を低下させます。   さらに、胎児はアルコールを代謝しようとしますが、胎児の肝臓は十分に発達していないため、アルコールが血液中に残存してしまいます。                                                                   妊娠中に飲酒していた妊婦から生まれてくるこどもは、一般的に出生時の体重が小さくなります。                 成長も妨げられたりすることから、脳が通常より小さく、知能低下や精神的な発達遅遅滞を起こしたり、四肢、関節、指や顔の特徴に奇形が生じる場合があります。また、心臓や腎臓の欠陥、皮膚の異常などもみられます。                 子宮内でアルコールにさらされた子供は、思春期に多動症となり、学習能力に障害を示すケースもあります。          

妊婦が摂取するあらゆるお酒は、その子供が胎児性アルコール症候群をもって生まれてくるリスクや、流産の可能性を高めます。特に妊娠3~4ケ月の期間は、適量とされるアルコールでも有害になる恐れがあります。~予防医学ニュースVol238より

      ~薬剤師 鳥居英勝~