対面販売を原則とする役所側と、それに反対するネット販売業者側。 今、医薬品の通信販売の是非が問われています。
薬は、文字通り「クスリ」にもなれば「リスク」もあるもの。 薬に対するアレルギーがある場合や、お医者さんからもらっている処方薬がある場合などには、 それらを逐一チェックして、安全かつ有効な薬を選択する必要があります。
また、調子が悪いときに、症状に合った医薬品を自分で選択するのはなかなか難しいもの。 薬の専門的知識を有する第三者に相談して、客観的にみてもらい、症状にあった薬を選んで 服用して頂くのがベストです。
ここ数年来政府が進めている『自由化』の名の下、来年度より登録販売者制度により、薬の知識を 十分に有しない者が薬をどうどうと販売できる制度が施行されます。近く、コンビニでも一部の薬が 販売されるようになるでしょう。これと合わせて、昨今のネットでの医薬品の販売。 確かに、これによって便利になる部分はあるでしょう。ただ、それと引き換えに安全性が確保できなくなる ということを認識しておかなければなりません。
防げる事故を起こさないためにも、医薬品の販売については『専門家が対面で行う』ことを徹底するべきで あると私は考えています。
~薬剤師 鳥居英勝~