春の七草を、すべてご存知でしょうか? 『せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ』━これが春の七草です。 このうち、“なずな”はカブ、“ごぎょう”はハハコグサ、“はこべら”はハコベ、“ほとけのざ”はタビラコ、 “すずしろ”はダイコンとされ、これらを正月7日、おかゆに入れて食べる習俗が全国に残っています。
七草の種類は時代や地域によっても異なり、雪の多い地方では栗、串柿、ニンジン、ゴボウ、タラの芽 などを用いることもあります。
おかゆも七草も、胃腸にやさしい食べ物。この時期に『七草がゆ』を食べる習俗には、ちゃんと理由があります。 忘年会や新年会などの集まりが続く年末年始の後は、食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた胃腸をいたわり、休ませ るという、生活に根付いた昔からの知恵というわけです。
弱った胃を胃腸薬でケアするのはもちろんですが、やさしい味わいの七草がゆを作って、家族みんなで囲んで みてはいかがでしょうか? 正月7日の七草がゆは、疲れた胃腸への思いやりです。
~薬剤師 鳥居英勝~