一般的に、男性が服用した薬剤の妊娠・胎児への影響は、非常に少ないといわれています。                     ただし、一部の薬剤では添付文書に男性服用時の注意が書かれているものがあり、安全性                    を考慮して避妊期間等が必要な場合があります。

妊娠への影響・・・主に精子への影響が考えられています。精子は精巣で約74日かけて形成され、               その後体内に20日蓄えられます。受精前3カ月位に服用した分が関わってきます。しかし、薬剤に                よって何らかの影響を受けた精子があったとしても、受精能力を失うか、受精してもその卵は着床し                なかったり、着床しても十分な成長が出来ずに妊娠早期に流産として消失する可能性が高くなります。              よって、薬剤による催奇形性のような形態的な異常は発生しないとされています

胎児への影響・・・女性が薬剤を服用する場合と異なり、男性が薬剤を服用した場合は胎児への影響              はほとんどないと考えられています影響があるとすれば、精液を介した女性への移行が原因として考              えられます。一部の抗ウィルス剤や抗ガン剤などは、精液を介して女性へ移行することが懸念されてお             り、その場合は妊娠成立以降も影響が考えられます。                                           このような特徴をもった薬剤服用中は、コンドームによる避妊が必要となります。                           ※避妊期間は薬剤投与中と投与後3~6ヶ月程度といわれています。ただし、薬剤によって添付文書上             の記載期間は異なります。一部の抗ガン剤・抗ウィルス薬・抗リウマチ薬・痛風の発作予防の鎮痛剤を             服用する際には注意が必要です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~