手足がひどく冷えていると、布団に入ってからも眠れないものですが、これには深い訳があるようです。
人は、眠るときに体温が下がります。子どもが眠くなると、よく手足の平があったかくなりますが、これは 血管を拡げて熱を放散させているためです。
ところが、最初から手足が冷えていると、脳は体温が下がっていると認識して、体温を高く保とうとします。 これでは、ゆっくりとした入眠ができません。それに加えて、脳は「この冷えた身体で眠っては危険」と認識します。 雪山で遭難したときに眠ってしまうと、一機に体温が下がって生命の危険があることで知られていますが、それと同 じで、生命を保つために脳が本能的に眠らせないように作用するのです。
日頃手足が冷えていて眠りに入るのが大変な方は、お風呂で良く温まったらすぐに布団に入る、湯たんぽを使うなど、 手足を温かくして眠りに着くことが大切です。 また、漢方薬などで身体の内側から温かくするのも有効です。
~薬剤師 鳥居英勝~