昼間病院で測ると正常なのに、家庭で測ると高血圧になっているのが仮面高血圧。まるで仮面をかぶっているようなことからその名がつけられました。仮面高血圧にはいろいろなタイプがありますが、多いのが早朝高血圧。「早朝上昇型」と「夜間持続型」があります。
早朝上昇型:朝起きたときに、血圧が急に上がる高血圧です。寝ているときはリラックスしていた心身が、緊張状態になって自律神経のバランスが崩れ、血管が収縮することで起きます。 夜間持続型:夜間から早朝まで、寝ている間に血圧が高くなる高血圧です。
長い間、仮面高血圧に気づかないでいると、血管をいため動脈硬化を進行させてしまうことに。さらには、心臓肥大や腎障害を引き起こすリスクも高まります。
早朝に次のような行動をとると、急に血圧が高くなる発作などに見舞われ、血管障害を起こすもとになります。・あわてて出勤/寒い日にいきなり外に飛び出す/電車に駆け込む/ラッシュアワーでぐったり/朝から大事な会議や商談に緊張して臨む
血圧はいつも一定ではなく、1日の間でも変化しています。また、その時の体調や精神状態によっても変わってきます。血圧が気になる人は、家庭で血圧を測り、記録をとって、自分の血圧がどのように推移するか把握するようにしましょう。
〔セルフチェック〕 ①朝起きたときに血圧が高くなるのは、「早朝上昇型」の可能性があります。②目覚めが悪かったり、からだが緊張していたり、気持ちがイライラしているときは注意が必要です。③就寝してから早朝まで高血圧が続くと「夜間持続型」の危険があります。
~薬剤師 鳥居英勝~