人前で話すときに、手に汗をかいたり足が震えたり、心臓がドキドキしたり、顔が赤くなったり頭が真っ白になったり・・・。いずれも緊張することで起こる身体の反応です。これらを専門的な領域でみると、自律神経系の症状となります。怖いときや不安な時に起こる症状と同様です。
生命活動を司る自律神経には、交感神経と副交感神経があります。緊張すると交感神経が優位に。あがり症の人はそれが過剰になることで、自律神経系の症状が出ます。
自律神経は、何かをしようとするときに優位になる神経。ですから、あがり症の人でなくても人前で話しをするときには優位になっています。したがって、誰でも緊張するということ。人前で上がるということは特別なことではないのです。
とはいっても、緊張するとどうしてようか分からなくなることも。そんな時には、おもいっきり腹式呼吸をしましょう。口を軽く閉じて、お腹にためるような感覚で鼻からゆっくり空気を吸い込みます。そして、できるだけ長くゆっくり吐きます。これを2~3回繰り返すと、優位になった交感神経が落ち着き、リラックスできます。逆にリラックスしすぎて力が抜けすぎてしまったら、手をギュッと握っていい意味での緊張を取り戻しましょう。
緊張しないためには、漢方薬も有効です。身体のタイプに合わせて漢方薬を上手に服用することで緊張を上手に和らげることが出来ます。
~薬剤師 鳥居英勝~