湿疹・皮膚炎の治療は、炎症を抑えることが基本です。使用される薬剤としては、ステロイド外用剤と非ステロイド性抗炎症外用剤があります。
2つの薬剤の大きな違いは、ステロイド外用剤は免疫抑制作用があるということです。抗炎症作用とは、免疫によって生じた症状を抑える(今起きている炎症を抑える)のに対し、免疫抑制作用とは、免疫そのものを抑える、すなわち「今起きている炎症+これから起こる炎症」を抑えます。ステロイド外用剤の優れた炎症抑制効果は、免疫抑制作用によるところが大きいのです。
ステロイド外用剤:長所/抗炎症作用+免疫抑制作用により優れた炎症抑制効果がある。短所/免疫抑制作用があるので化膿部位に使用できない
非ステロイド性抗炎症外用剤:長所/化膿部位でも使用できる。短所/抗炎症作用がマイルド
医療の現場では、早い段階で充分な抗炎症作用を持った薬剤で治療することを基本とし、充分な強さのステロイド外用剤を最初に使うことが主流です。症状に合わせて正しく使って、正しく治しましょう。
~薬剤師 鳥居英勝~