頭痛は、日常生活の中でも経験することが多い症状の1つです。頭痛の種類と特徴、鎮痛薬の成分について紹介します。

【頭痛の種類】※市販薬の使用が勧められるのは、はっきりとした基礎疾患のない慢性頭痛です。慢性頭痛の代表的なものとして、緊張型頭痛・片頭痛などがあります。

●緊張型頭痛:最も多いタイプの頭痛で、幅広い年代でみられる。長時間のデスクワークや運転、眼精疲労などにより肩や首の筋肉が過度に緊張して、その結果血行が悪くなり痛みが起こる。ストレスも多く関与している。

痛みの特徴:後頭部から首にかけて痛むことが多く、頭重感と首・肩・背中のこりが特徴的な症状。「締めつけられるような感じ」や「きつい帽子をかぶったような感じ」。

お薬は・・・非ステロイド性解熱鎮痛剤(NSAIDs)で対応します。特にイブプロフェンとカフェインの合剤や、アスピリン・イブブロフェンの単剤が有効です。

●片頭痛:比較的女性に多く見られるタイプの頭痛で、発作的にひどい頭痛があらわれ、数時間から長い場合は数日間続きます。脳の血管、神経の炎症や、脳内物質が関係していると考えられていますが、原因はまだはっきりとわかっていません。

痛みの特徴:片側、両側のこめかみ付近が脈に合わせてズキンズキンと強く痛む。「頭を動かすと痛い→他の頭痛と区別する際のポイント」、「吐き気や嘔吐をともなうことがある」、「音や光によって痛みが増すこともある」、「あまりの痛さに寝込んでしまう」。

お薬は・・・アスピリン・アセトアミノフェン・カフェインの合剤(AAC処方)が第一選択となります。

●群発頭痛:頻度は低いものの、20~40代の男性に多く見られるタイプの頭痛です。

痛みの特徴:強い痛みが特徴で、夜中や明け方に突然起こることもあります。「目がえぐられるような痛み」、「バットで頭を殴られたような痛み」

お薬は・・・医師による治療が必要となるため、受診することをお勧めします。

☆今まで経験したことのな激しい頭痛をおぼえる場合は、くも膜下出血や脳腫瘍などの重大な病気の可能性があります。すぐに受診することをお勧めします。・・・突然の激しい頭痛、強い吐き気やめまい・ふらつきなどを伴う頭痛、痛みがどんどん強くなる場合、もうろうとしたり意識障害がみられる場合、手足がしびれる場合、言葉が出にくくなる場合など。

      ~薬剤師 鳥居英勝~