厚生労働省より「ジヒドロコデインリン酸塩」配合製品の使用上の注意が改定される旨の通知(平成21年12月1日付事務連絡)が出されました。

内容は、「授乳中の人は、ジヒドロコデインリン酸塩」が入ったお薬を服用してはいけない。服用する場合は授乳を避けなければいけない。」というものです。

このよう通知が出された理由は、海外でコデインを服用した授乳婦において、コデインの代謝で生じたモルヒネが乳汁に移行し、これを飲んだ乳児にモルヒネ過剰摂取による呼吸抑制などの副作用があらわれた事例が報告されたためです。コデイン(ジヒドロコデインを含む)を極めて迅速に代謝する特定の酵素を持っている人で報告されているため、モルヒネが急速に生成されて母乳中の濃度が通常より高くなったことが原因と考えられます。

ジヒドロコデインは、市販の風邪薬や咳止めに広く使われています。今のところ、日本国内の一般用医薬品においては上記の副作用は報告されておりません。

       ~薬剤師 鳥居英勝~