知っておくと便利な放射線量の見方を記します。

外部被曝で危険なのは?・・・γ線

内部被曝で危険なのは?・・・α線とβ線。核分裂生成物にはα線を放出する核種は少ないので、β線を放出する核種が体内に入り込むことによる内部被曝が危険になる。

報道でよくきく、『今日の新宿は~~マイクロシーベルトです』は何を表している?・・・1時間当たりのγ線量を表しています。β線は含んでいません。 すなわちこの指標は、外部被曝のみについての参考になります。また、この指標は一部の放射線しか表していないので、全ての放射線被曝を考慮したものではなく、内部被曝を含めるともっと多く被曝している事になります。

 放射性セシウム、ストロンチウム、ヨウ素はβ線を放出するので、内部被曝への注意が必要になります。また、セシウムとヨウ素はガγ線も放出するので外部被曝への考慮も必要になります。

線量計(汚染検査用測定器)を選ぶときの注意は?・・・γ線測定専用(NaIシンチレーションサーベイメータ)と、β線とγ線測定用(GMサーベイメータ)があります。 NaIシンチでは、γ線のエネルギー測定ができ、通常1時間当たりの線量としてμSv/h単位で表示されます。 GMでは、β線とγ線の両方が測定できますが、それぞれの区別は出来ません。また、β線に対する感度は高いものの、γ線に対する感度は良くありません。放射線のエネルギー測定はできないので、1分間当たりにその測定器が測定できた計数(cpm)単位で表示されます。 報道で毎日目にする大気中の放射線量は、NaIシンチで測定したもので、外部被曝の指標になります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~