古米の値段が高騰しているとのこと。新米の放射能汚染を心配して、安心な古米を買いだめに走る方が増えているようです。これは無理もないこと、特に小さい子供を持つ家庭にとっては、毎日たべる主食の安全を図ることは当然ともいえるでしょう。

以前もこのブログに載せましたが、放射線が細胞を害するのに閾値はありません。つまり放射性物質が体内に入れば必ず細胞が犯されます。ただし、病気が発症するまでには閾値があります。しかし、その閾値がどれ位なのかは未知。福島原発が起きた今、まさにその閾値を探るデータ収集が始まったといったところでしょう。私は、病気が発症するまでの閾値が低いものとして、毎日の生活を送っていくべきであると考えています。

日本はこれまでに、広島長崎の原爆を主とし、それと前後しての世界各地での原水爆実験による環境汚染を受けています。一番影響の大きかったであろう昭和20年の原爆から数えて今年で66年。その年に生まれた人は今年で66才になります。まさに細胞分裂が盛んな時期に幼少期を過ごした方たちです。

その世代の方が高齢化した現在、日本人の死亡率1位の疾患は癌。今から30年前は第3位でした。その原因として、食生活の変化、即ち欧米化がいわれています。確かにそれも大きな要因でしょうが、その他に先ほど述べた原爆及び原爆実験などからの放射性物質の影響もあるのではないでしょうか。

我々は今、福島原発事故以降新たな放射性物質による環境汚染の真っ只中にいます。幸いにも大気中への新たな放射性物質の拡散は落ち着きを見せているようですが、半減期が30年もあるセシウム・ストロンチウムとはイヤでも接していかなければなりません。癌はもとより細胞及び機能への様々な悪影響、病気を起こさないために、毎日の生活での内部被曝・外部被曝対策は必要だと思います。

      ~薬剤師 鳥居英勝~