9月中旬になってから、暑さがぶり返しています。昨日はここ鹿沼市のある小中学校で、集団での熱中症がおきてしまいました。運動会の練習中になったそうです。新聞によると、この小中学校では、練習中こまめに休憩と給水をとっていたとのこと。

8月の猛暑の時期にならずに、気温もその時ほど高くならないこの時期に熱中症になってしまったのには、2つの理由がありそうです。

上記の小中学校の件は別として、ひとつは油断。一番暑い時期を過ぎた今、日に当たらない、水分とミネラルを十分にとるなどの対応が多少おろそかになっていること。

もう1つは体の対応の問題。夏休み中、家でクーラーのかかった涼しいところで過ごしたことで、汗腺の開きが悪くなっていて、汗の排出による体温の低下機能が十分に果たせていないこと。特に、夏の盛りのあつい時期に運動して汗をかく習慣があった人が、その後運動を怠った中でクーラーを使ったり気温が下がるなどして過ごし易い環境下で何日も過ごした場合には注意が必要。再度暑くなった時に、前と同じような感覚で運動をすると、汗腺が十分に開かずに汗が排泄されず、体内に熱がこもることが考えられます。

今の時期は、夏の盛りに比べて湿度は下がり、熱中症のリスクは下がってはいます。しかし、高温になる日は未だ注意が必要。暑い日は、熱中症にならないように、日に当たらないよう心がける、水分とミネラルをしっかり摂る、休憩を十分取るなど、真夏と同じように注意して過ごしましょう。もちろん日常生活での栄養、休養の管理も大切です。先にも記しましたように、真夏の時点よりも汗をかく頻度が少なくなった人は、より注意した方が良いでしょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~