文部科学省が、地表面への放射性セシウム蓄積量マップを公表しています。どのようにして測定して作られたものなのか調べてみました。
測定方法:ヘリコプター及び飛行機により、対地高度で150~300mの飛行高度でγ線を測定する。モニタリングにおける航空機の軌跡幅は3km程度。公表される数値は、航空機下部の直径約300m~600mの円内の測定値を平均化したものであり、併せて陸上においてγ線エネルギー分析装置を用いて測定した結果も踏まえて算出。
要するに、3km毎に150m~300mの高度で測ったγ線量から地上に積もっている放射性セシウムの量を算出したものと、地上で測定したγ線量を併せて分析して、数値化したということです。
ただ、軌跡幅が3km程度、測定値は300m~600mの円内を平均化したものということは、限られた狭いエリアのホットスポットや、水で流されて自然に除染されるなどして線量が少ない場所などは表現されていない可能性が高いことは頭に入れておくべきでしょう。また、蓄積量の色の境界線は実際と数kmずれている箇所があることも考えられます。
放射性セシウムは、β線とγ線を放出します。β線は内部被曝、γ線は外部被曝を考える際に重要になってきます。蓄積量マップ作成に利用されたのはγ線のみですが、その線量が多い場所は即ちβ線も多いということ。地図で蓄積量の多いエリアに住んでいる場合には、外部被曝と内部被曝の両面への注意が必要になります。
~薬剤師 鳥居英勝~