カユミでお悩みの方が多くいらっしゃいます。空気が乾いている秋~冬に多いのは乾燥性のカユミ。その場合、お風呂上りにたっぷりクリームを塗って保湿をしたり、当帰飲子という漢方薬を服用して肌を潤わせることで改善することが見込めます。

乾燥性ではなく、決まって夜になるとかゆくなる場合方もいらっしゃいます。皮膚科に通って抗アレルギー剤を服用したり、ステロイドの外用薬を塗ってもその場しのぎでやめたらまた戻ってしまう。このような場合、原因の1つに自律神経の働きが影響していることが考えられます。

日中仕事などで強いストレスにさらされていて交感神経が強く緊張しており、夜に家に帰ってフッと楽になった時にカユミが出る。これは、家でリラックスしたときに副交感神経が反射的にパッと優位になることで説明がつきます。

このような方は、お風呂に入ったときにカユミが増すことが多いようですが、入浴は身体をリラックスさせ副交感神経を高めるし、さらに温まることと皮膚の血流が良くなることでカユミ感覚が増すのも影響しているのでは。

また、夜間には自律神経支配の作用で副腎皮質ホルモンの分泌が減るので、炎症反応が出やすくなるのも一因かも知れません。

ではどうしたらリラックス時のカユミが和らぐのでしょうか?1つに、夜に生じる『交感神経と副交感神経の優位性が緩やかに逆転』すれば緩和されていくかもしれません。

そのためには、日中過度に緊張状態が続くことを避けることが何よりも大切だと思います。そうすることで、交感神経が極度に緊張することを防ぐことが出来るので、その影響で副交感神経も緩やかに立ち上がるようになることが期待できます。そのために、ストレスブロックといって、仕事中1時間に2~3回深呼吸をしたり軽い運動をしたりして、ストレスを短時間で切って行くと良いようです。爪揉みといって、爪の生え際を指圧するのも効果的でしょう。

また、ストレスを和らげる漢方薬や、自律神経を調整する人参の栄養剤を、生活に合わせて服用することも有効と考えられます。

      ~薬剤師 鳥居英勝~