『治未病』という言葉を聞いたことがありますか?漢方の古典に書いてある言葉です。意味は、『未だ病ならざるものを治す。即ち、病気になってからではなく、ちょっとおかしいくらいで手を打って病気にならないようにすること。』平素から養生に努め、病気にならないようにすることも含むと考えて良いでしょう。
このことは、人体の健康と病気だけでなく、生活の中で広く適用できるのではないでしょうか?そういえば、似たような言葉で転ばぬ先の杖なんてのもありますね。
近年、偽造処方箋が出回っています。医療機関から発行された院外処方箋をカラーコピーして複製し、それを薬局に提出して薬をもらおうとする。立派な犯罪行為です。
それを防ぐにはどうしたら良いでしょうか?水際すなわち薬局で偽造処方箋をそれと確認するのにはどうしても限界があります。であるならば、処方箋自体に偽造できないような仕組みを取り入れるしかありません。それによって、不正な医薬品搾取及びその先の医薬品の不正使用が予防できる。
偽造できない仕組み造りが、即ち医薬品不正使用の予防になる。このことはまさしく社会の治未病ではないでしょうか。浅智恵ではありますが、自分なりに効果的な手段を考えて、各種機関に提案していきます。
社会全体がそうですが、とりわけお役所などは、社会の秩序と安全を守るために、治未病の観をもって、施策作りとその実行に取り組んでもらいたいものです。
~薬剤師 鳥居英勝~