糖尿病、こわい病気です。

何が怖いかというと、自覚症状がないうちに進行すること。知らないうちに、神経障害・網膜障害・腎障害にいたることがあり、検査を受けたら即人工透析なんてこともあるようです。

平素からお医者さんにかかって、薬物療法、食事療法・運動療法などの生活療法に取り組んでいる方は大丈夫でしょうが、心配なのは忙しくて受診できず、徐々に進行してしまう方。

医者の不養生なんて言葉がありますが、患者さんを診ることを優先して自分の身体のケアーを後回しにし、その結果自身の糖尿病が進行してしまうお医者さんがいる話を良く聞きます。そもそも、おいしいものを食べる機会が多い、忙しさと仕事上動かないことが多いための運動不足、過重なストレス、そのような糖尿病になり易い環境にあって、自分の身体をケアーする時間が取りにくい。そのような方は本当に大変だと思います。

糖尿病の代表的な自覚症状は、口渇・多飲・多尿。浮腫みがある場合には腎臓にまで問題が及んでいる可能性もあります。親兄弟に糖尿病の方がいて、先ほどの自覚症状が気になる方は、早く検査を受ける必要があります。

重い糖尿病の方でさらに怖いのが、感染症。糖尿病が重くなると免疫が弱くなることが知られていますが、キズができた場合は要注意。感染が進行して手足を切断しなければならない場合もあります。肺血症を起こしたら命取りです。

また、高血糖、糖利用能低下によるケトアシドーシス、高K血症による心臓の異常、意識障害。心筋梗塞、脳梗塞など致命的な事態に発展する場合もあります。

糖尿病を甘くみずに、適切な対応が必要です。心配だなと思ったらまず検査を受けて状態を把握し、必要であればお薬の服用。服薬が必要なければ食事・運動での生活療法、さらに定期的な検査。このことをしっかり行いましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~