見方を変えると、というよりも角度を変えてみると新しい発見があるらしい。ここ数ヶ月間高速道路を利用することが多いのだが、昨日バックミラーを通して自分の顔をみたときふと気づいてしまった。

頬骨の辺りにシミがある。洗面台に立って正面からみたのでは気づきにくい場所である。学生時代に真っ黒に日焼けした後遺症が今頃出てきたらしい。そういえばその当時、20年くらいするとシミになるぞといわれたのを覚えているががその通りになってしまった。まさに老化の証である。

自身の美容には頓着がないので放っておいても良いのだが、顔中に拡がっても困るので何かいい対策はないか考えてみた。

このような場合、皮膚科ではトランサミン(トラネキサム酸)+シナール(ビタミンC+パントテン酸)を処方する。

トラネキサム酸で血管外への出血を防ぎシミの元を断ち、合わせてビタミンCとパントテン酸でメラニン色素の形成を抑制しながら既成メラニン色素の還元を促進する。続けるうちに確かにシミが薄くなることが分かっている。

またある学会誌で、ビタミンCとビタミンEとパントテン酸を一緒に服用すると、色素沈着が防げるという論文を読んだことがある。市販だとハイチオールCがこの処方である。これもなかなか効果的のようである。

トランサミンもシナールもハイチオールCも、手を伸ばせば取れるところにあるのだが、この際自然薬でどうにかしてみようと思う。

大事なのは、『血管から血がもれるのを防いでシミの元を断つことと、抗酸化作用によってメラニンを防ぐ』こと。これは、ちょうど田七人参とフラボノイドで代用できる。

田七人参は、血管外からの出血を防ぎ、かつ血管内の血流は良くするという、相反する作用を有している。

フラボノイドには、抗酸化作用がある。いろいろな種類がある中で、イチョウ葉エキスが多くのEBMをとっており信頼性が高い。中でもドイツのシュワーベ社の製品が不純物が少なく、成分の含量が安定しているので良い。(シュワーベ社のイチョウ葉エキスは、ドイツとフランスでは医薬品として認可されている。)

この2つを併用して、今日からシミ改善の図ろうと思っている。2ヶ月後、ターンオーバーを2回経た頃には薄くなっていることを期待している。

      ~薬剤師 鳥居英勝~