『夕食終了から就寝までの時間を3~4時間あけると高血圧の予防につながる、夜9時以降に食べる場合には特に有効』とのこと。
その理由の1つとして、『覚醒時に比べ、就寝中は末梢組織での糖の利用が低下し、インスリン感受性も低下することが知られている。高インスリン血症は、交感神経の活性化によって血圧を上昇させるだけでなく、ナトリウムの再吸収を促進させて体内へのナトリウム貯留を高める。このようなメカニズムによって、短い夕食終了から就寝までの時間の間隔が高血圧のリスク上昇につながる可能性が考えられる。』とのこと。
『夜勤や交代勤務などの勤労者のように夜9時以降に夕食を摂らざるを得ない勤労者において、高血圧を予防するための効果的な行動となりうる可能性がある。』とのことです。
以下に、食事・睡眠と生活習慣病についての、役に立ちそうな情報を列挙します。
・朝食を食べないと高血圧になる
・朝食を食べなかったりバランスが悪いと、肥満や脂質異常症のリスクとなる
・朝食だけでなく、外食や間食が肥満の発症に関連する
・食事時間がインスリンやグルカゴンのレベル、耐糖能などの変化に関連してくる
・交代制勤務の労働者では、夜遅くに食べることが血清コレステロールのレベルを増加させる可能性がある。
・残業時間が、BMIとウエスト周囲の変化に関連する・・・残業時間が長いほど、ストレスによる過食が増える可能性と、夕食時間が遅くなることで脂質代謝などに影響を与え肥満につながる可能性
・夕食の時間が遅いことや不規則であることが、肥満の発症につながる。また、肥満の割合、血圧が高い人の割合、血糖値の低い人が多いことについての報告がある。
・慢性的な睡眠不足が、概日時計や摂食行動に影響を与え、糖尿病や肥満といった疾患のリスクを増加させる
・睡眠不足や睡眠の乱れは、食事内容や食事量と関連する
・睡眠不足が糖尿病や肥満などの疾患リスクと関連する背景には、食事が重要な鍵を握る。
・生活習慣病予防も考慮した望ましい生活行動として、早い時間に夕食を摂ることや、決まった時間に夕食を摂ることがあげられている。
・肥満をはじめとする生活習慣病は、遅い夕食時間や睡眠時間が短いことなどと関連しており、夕食時間が遅い人は血圧が高く、太っている傾向にある。
・睡眠時間が6~7時間の場合に最も肥満率が低く、それより長くても短くても、肥満率が高くなる。
・夕食終了から就寝までの間隔が、腹部肥満、脂質異常症、耐糖能異常、糖尿病と有意な関連は認められなかった。
・遅い夕食時間がBMIや血圧の上昇に関連があることが報告されている。
・睡眠時間については、肥満、脂質異常症、耐糖能異常や糖尿病などの慢性疾患との関係について検討され、短時間睡眠がこれら疾病のリスク上昇に関連している。
・これまでに睡眠時間と高血圧のリスクとの関連について、5時間以下の短時間睡眠は高血圧のリスクを上昇させることが報告されている。
・短時間睡眠が、若年層と中高年層の対象者の高血圧のリスク上昇に関連する報告がされている。
~薬剤師 鳥居英勝~