東洋医学では、臓腑と感情を関連づけて考えます。具体的には、『肝=怒 心=喜 脾=思 肺=悲 腎=恐』。このようになっています。
唐突ですが、子どもの夜泣きが寝る前の感情によってコントロールできないか考えてみたいと思います。
疳の虫などといいますが、こどもが夜中にキーキーするのは、ざっくりいえば臓腑では『肝=怒』が強く関わっていると考えるのが一般的です。ただ、場合によっては『肺=悲』や『腎=恐』が原因になっている場合もあるでしょう。
東洋医学で、五行という考え方があります。五臓は、相生・相克・相乗・相侮関係などによって密接に関連しあっているというものです。
五行で考えた場合、私は『心=喜』が夜泣きの解決に役立つのではと考えてます。というのも、肝と心は相生関係にあり、腎と心は相侮の関係にあり、肺と心は相克の関係にあります。
理論的には、喜べば肝が通って落ち着く、喜べば恐れが和らぐ、喜べば悲しみが落ち着く、ということになります。ちょっと強引ですが・・・。
そこで、夜泣きが気になる場合には、寝る前に5分でも10分でも良いのでちょっとくすぐったい位に身体をマッサージしてみてはどうでしょうか?
くすぐったければ必ずこどもは“喜”びます。そもそも夜泣きの主な原因は『日中の感情』にあると考えられます。東洋医学の理論で考えれば、喜という感情が夜泣きの原因になる邪魔な感情を上手く捌いてくれて、夜中の落ち着きが保てるかも知れません。
ただ、喜ばせすぎると他の臓腑に負担を掛けて逆効果になりうるし、そもそも興奮して眠れなくなってしまうので、適当にするのが良いと思います。お母さんやお父さんのあったかい手でマッサージしてあげると、きっと安心して寝つきも良く、夜中も落ち着いてぐっすり眠ってくれるのではないでしょうか。
☆夜泣きには、小児はりが良く効きます。『はり』というと怖いイメージがありますが、小児はりは刺さない鍼治療ですので全く痛くありません。子どもにとって、とても気持ちがよくて安らぐものです。経絡やツボを刺激することによって自律神経が整うのが効くメカニズムであると考えられます。治療の場合、小児はりでは特殊な専用の器具を使います。
~薬剤師 鳥居英勝~