低体重児(未熟児)が増えているようです。食糧難の時代ならともかく、飽食といわれるほど栄養状態がいい現代なのにどうしてなのでしょう?
出産の高齢化、若い時代の内外からの冷えによる身体の虚弱、過度なダイエットによる体力の不足などが、原因として考えられるでしょうか?
東洋医学的には、低体重児は先天の精不足と考えます。(先天の精とは、生まれもって両親から授かり、受け継いだもの)。この先天の精は、生まれた後に高めることはできません。
先天の精が不足していることは=腎精が不足している→腎虚であると考えます。※腎虚には、先天の精が不足している場合と、加齢や栄養失調などによって腎が虚してなる場合とがあります。
腎虚体質の特徴としては、白髪になる・髪が抜ける・歯が弱い・腰が弱い・精力が弱いなどがあります。また、腎虚は腎陽虚・腎陰虚などに分類でき、それぞれに特徴的な症状があります。
先天の精は、生まれた後に補うことはできませんが、この場合ほぼ間違いなく腎虚であるので、日々腎を補っていけば体質的に弱いところをカバーできるかもしれません。黒い色の食べ物には、腎を補う働きがあるとされています。例えば黒ゴマ、黒砂糖など。
また、人間の元気(=生命力)は、先天の精+後天の精によって構成されていると考えるので、先天の精が不足している場合、後天の精を補っていくことが丈夫な身体を造り、元気で過ごすためのカギになります。後天の精を補うとは、すなわち良い栄養を十分に摂ること。そのためには、消化器系を司る脾を強くする必要があります。
ここで、感情とのつながりを考えてみます。腎=恐れですので、真っ正直にとらえると、低体重児=怖がり、臆病になりやすいといえてしまいます。生まれたとき小さかった子は、黒いものを食べるよう心掛けると良いかもしれません。
また、脾=思うです。もともと腎が弱くがために身体を強くしよいと思い、脾を補うよう心掛ければ、結果としてよく考える子に育つかもしれません。脾を補うのに良い食べものとして、第一に山芋があげられます。
~薬剤師 鳥居英勝~