2月に、アロパノール内服液という漢方薬のことをご紹介しました。アロパノール内服液は『日本初の液体の抑肝散』で、吸収率が抜群。『あがり症』の方に功を奏するといわれています。
抑肝散は元々、『神経が高ぶって怒りっぽい方の、神経症・不眠・歯ぎしり』などに使われる漢方薬です。ここ数年は、『認知症の方のイライラを和らげる』ことに多く使われています。※あくまでも認知症の随伴症状であるイライラを改善するのが働きであって、認知症自体を改善する効果がわかっているわけではありません。また、『原因が不明の手足の振るえ』にも効果があることがわかっています。
さて、抑肝散とあがり症の関係です。あがり方にも色々あると思います。人前で話すときに、顔が赤くなってしまう、汗をかいてしまう、言葉が出ない、声がふるえてしまう、手足がふるえる、大事な試合の時に緊張してしまい実力が発揮できないなど、人によっても違うし状況によっても異なるでしょう。
では、どんなあがり方に対して効果が高いと考えられるでしょうか? 抑肝散は元々、気持ちの高ぶりを和らげるお薬であること、そして近年では原因不明の振るえを和らげる効果がわかっていること。この二つから、私は『緊張して、声や手足が震えるタイプのあがり』に効果が期待できるのではないかと考え、そのような方に試して頂きました。症例数は多くないのですが、結果は予想通り効果大でした。
緊張して、スピーチの時に声が震えたり、大事な時に手や足が震える方には、是非お試しいただきたいお薬です。
~薬剤師 鳥居英勝~