年を取ると老化するのは当然のことで、どうやったって止めることはできません。ただ、遅らせることは可能かもしれません。アンチエイジングについて、東洋医学的な解釈をしてみたいと思います。
東洋医学では『老化=腎の虚衰』であると考えます。例えば認知機能の低下・腰の弱りなど、加齢や老化に伴って起こる症状は、腎虚によるものと考えます。実際そのような症状に対して適切に補腎を行うと、改善することが多いのも事実です。
以前ここで、『人間には先天の精と後天の精がある。先天の精は生まれ持ったもので両親から授かったもの。後天の精は生まれてから飲食によって得た栄養などによるもの。』と紹介したことがあります。その先天の精は、=腎精と言い表すこともできます。東洋医学でいうところの腎とは、生命活動の基礎になるとても重要なものです。アンチエイジングの基本は、補腎することであるということができます。
☆臨床では、腎は大きく腎陽(機能)と腎陰(実質)に分けて考えます(この他に腎気という概念もあります)。腎虚に基づく症状がある場合には、必要に応じて補腎陽・補腎陰など補腎を施します。具体的にいうと、体温が低く腰が弱い・夜何度もおしっこに起きるなど・・・、このような方は腎陽を補うと功を奏することが多くみられます。また、髪が抜けたり白髪になったり・歯が抜けたり・目や口が乾いたり、このような方には腎陰を補うと整うことが多くあります。※東洋医学でいうところの腎と西洋医学的にいう腎臓とは、ちょっと意味合いが異なります。☆
~薬剤師 鳥居英勝~