先日ここで、『東洋医学的には、補腎することがアンチエイジングにつながる』ことを説明しました。そこで今日は、具体的な『補腎策』について述べたいと思います。

腎を補うには、何といっても第一に、漢方薬の補腎剤を服用することがてっとり早い方法です。補腎剤としては、八味地黄丸・六味地黄丸などがよく知られていますが、他にもいくつもあります。身体に合ったものを、じっくりと続けることが大切です。また、強壮生薬といわれるものには補腎剤が多く、それらが配合された栄養剤も助けになると思います。

そして忘れちゃいけないのは毎日の養生です。精根尽き果てるなどといいますが疲れすぎは腎精を消耗してしまうので要注意。栄養不足もよくありません。房事過多(性生活のし過ぎ)も腎を傷めるので用心する必要があります。腰を冷やすのもよくありません。要するに、頑張り過ぎず・あたたかくして・ちゃんと栄養を摂っていれば大丈夫ということです。

また、薬膳では黒い食べもの(黒ゴマ・黒豆・木耳など)は腎を補うと言われています。それらを積極的に摂ると良いでしょう。

☆腎は生殖器を司るところですので、これが虚すると男性女性を問わず不妊症の原因になります。特に若いころに不摂生をした人などは、腎が消耗し生殖機能が落ちていることも考えられます。子宝相談でも、腎虚のケアーは重要な要素になります。☆

~薬剤師 鳥居英勝~