鉄欠乏性貧血が増えているそうです。

鉄欠乏性貧血とは、その名のとおり血液中の鉄分が不足して起こる貧血のことです。血液の成分のうち、赤血球にあるヘモグロビンは酸素をからだの隅々まで運ぶ働きをしています。このヘモグロビンができるときに、鉄分を必要とします。なんらかの原因で体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンの合成がうまくいかなくなります。すると赤血球中のヘモグロビンが減り、また、赤血球そのものも小さくなってしまいます。その結果、体内への酸素供給量が減り、だるい、疲れやすいといった症状が起こるようになるようです。

鉄欠乏性貧血の症状・・・持続力の低下・息切れ・頻脈・だるさ・疲労感・記憶力の低下・学習能力の低下・視力低下・集中力の低下・食欲減退・免疫力の低下・無力感・爪がもろい・変形するなど・・・

そこで活躍する成分は・・・肝臓に常時蓄えられているフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄です。

フェリチンとして体内に常時蓄えられている鉄分はおよそ900~1000mg程度。決して十分な貯蔵鉄量とは言えませんが、緊急事態に備えるものですから、非常に重要な働きを持っています。フェリチンの大半は主に肝臓に備蓄され、残りは脾臓や骨髄に蓄えられています。では、これらがもし全て無くなるとどうなってしまうのでしょうか?この場合、残念ながら鉄分の補給を食べ物や、場合によっては点滴などで行うしか方法はありません。フェリチンのストックがもし全て消費されてしまった場合でも、人体はミネラルを必要とするため、ヘモグロビンを合成しなければいけない鉄分までも使用することになります。血液中の鉄分である血清鉄が不足すると、ヘモグロビンの合成ができなくなってくるので、人体の各機関へ酸素の供給が十分に出来なくなってしまいます。この貯蔵鉄もなくなり、かつ血清鉄が減少し、ヘモグロビンの合成が出来なくなってしまった状態になって初めて発症する疾患のひとつが鉄欠乏性貧血の症状なのです。

☆レバーやヒレ肉などの動物性食品の鉄分はヘム鉄といい、体内での吸収効率が37%と高いという特性があります。一方で、小麦などの植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄といい、吸収効率は5%と劣ります。そのためビタミンCや他のタンパク質との食べ合わせで吸収効率を高める必要があります。

☆☆☆貧血を改善するのにとても良い、レバコールという栄養剤があります。レバコールは、鰹の肝臓加水分解物を主原料としており、核種アミノ酸・VB6・VB12・葉酸など、健康維持に必要な成分をバランス良く含んでいます。良質のアミノ酸がヘムタンパクの原料となり、赤血球を生みだす元になります。人間の血液は約4カ月で入れ替わるそうですので、それ位の期間しっかり服用されると効果的。身体がうーんと楽になります。貧血でお悩みの方には、是非お飲みいただきたい保健薬です。

~薬剤師 鳥居英勝~