うっかりすると忘れそうになる食品による内部被ばく。最新の日本栄養食糧学会誌に気になる文献がありました。
『ローヤルゼリーが、セシウム・ストロンチウム・ヨウ素による内部被ばくを軽減するかも』というもの。
要旨は・・・ローヤルゼリーを一週間事前に摂取し⇒セシウム・ストロンチウム・ヨウ素を静注する⇒そうすると、先にあげた放射性核種が骨・筋肉・甲状腺などへ蓄積するのを軽減し、さらに尿からの排泄が促進される。具体的に何の成分が役立っているのか、製品によって品質にばらつきがある中でどの製品がよいのかは、要検討・・・とのこと。
ローヤルゼリーには、ビタミン・ミネラル・アミノ酸が豊富に含まれていることが知られています。そのミネラル成分が、放射性核種が細胞や組織に入り込むのを防ぐことに役立つことは十分考えられます。
この文献を読んでまず思うのは、『内部被ばくを考える上で、福島第一原発事故の前にどのような食事を摂っていたかが、実はとても重要なんだ』ということ。
事故後は、ほとんどの方が水や食べ物に注意したと思います。それは、とても大切な事です。でも、事故以前から海藻や野菜などミネラルが豊富な食事を摂っていたかどうかが、内部被ばくを考える上でとても大事なんだなということをこの文献を読んで思います。普段からミネラル豊富な食事を摂っていて、細胞が栄養成分で満たされていれば、悪いものが入っても入り込む隙が少なかったと考えられそうです。
原発事故直後、子供を中心に水や食品による内部被ばくが心配されました。3年半経った今、その当時に比べて食品の安全性は大きく高くなったと思います。ただ、子供たちへの健康への影響が全くなくなったとは言い切れないのが本当のところだと思います。かといって、気にしすぎるのも良くない。
簡単にできることとして、海藻や野菜など、ミネラルを十分に、栄養バランスのとれた食事をする。健康のためはもとより、内部被ばくによる弊害を防ぐうえでも、日々の食事が大切なんだな~と改めて考えます。
~薬剤師 鳥居英勝~