子宝漢方って、どんなことをするんですか?と初めてご相談にいらした方から聞かれることがあります。
このような時に、私は「漢方薬をお飲み頂くことで、全身を調整し、弱い所を調える。」とお話しております。
少し詳しくいうと、「ご自身の体感的な調子や、舌・話し方・お顔の色など身体に現れる客観的な情報からお身体の状態を把握し、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期・生理前という生理周期に関わることをお聞きし、基礎体温も確認した上で、お一人お一人に合ったお身体の調整方法を決めて、漢方薬をお飲み頂いて、調えていく。」ということです。
場合によっては生理周期に合わせて漢方薬を服用する周期療法ということも行います。また、高いレベルの治療を控えた方には、採卵前の時期の卵子の保健・採卵後の内膜の充実・移植後の安胎(着床した授精卵をより良くはぐくむ)対応も行います。
私どものところにご相談にいらした方では、自然に授かる方が多いのが特徴です。
子宝を考える場合、まず自然に過ごしてみる、そしてタイミング・人工授精・体外受精とステップアップするのが通常でしょう。そのどの段階においても、身体造りは大切だと私は心から思っています。
先日、日本東洋医学会の学会誌に次のような発表がありました。「採卵前、採卵後~移植まで、移植後と、段階的に決まった漢方薬を飲んで頂いたところ、飲まなかった群と比較して成功率が優位に向上した」というものです。今頃という気もしますが、私どもが取り組んでいることについての前向きなデータが取れたことは嬉しいことです。
画一的に決められた漢方薬を飲んでもらっても成功率が上がるわけですから、お一人お一人の身体に合わせた漢方薬を飲んでもらえば当然調う精度は高いわけですから、成功率はもっと高くなるでしょう。
漢方薬で身体を調えてから、人口授精や体外受精に取り組むと、成功率が高くなるのも実感しています。
~薬剤師 鳥居英勝~