・胴囲は内臓脂肪を反映しない!?
内臓脂肪量は、肥満者で全体の約5分の1、正常者では10分の1以下です。女性の脂肪の付き方は皮下脂肪が多いので、男女が同じウエストであっても内臓脂肪量は大きくことなります。
・内臓脂肪の疫学調査を実施
近畿地区の一般市民を対象にした疫学調査では、男性では半数がお腹に脂肪がたまり、4人に1人が血圧・脂質代謝・耐糖能異常・血糖値のうち2つ以上の項目を持つことが分かりました。女性では、3人に1人がお腹に脂肪がたまりかけ、病気を2つ持つ人が10人に1人であることが判明しました。この数字はわが国の心血管病の頻度と一致するものです。
・ウエスト周囲長(いわゆる腹回り)の新基準!
現在は、男性で85cm以上・女性で90cm以上がボーダーラインと言われています。ただ、実際に即した分析をしたところ、近頃では男性で85~90cm・女性で80cmが適正な数値だと言われています。今後高齢化が進む中で、基準が改められそうです。
・加齢を加味した最適な基準
20代に比べ50~60代では基礎代謝量が10~20%減少します。また、加齢により骨量・筋肉量が減り脂肪の比率が大きくなっていきます。
現在ではBMIの標準値は22とされていますが、高齢者の場合は25程度でもよいのではないか?という学説が出ています。
ともかく加齢の中で“脂肪増加の対策”が健康維持のためには非常重要です。
・“太る体質”の団塊世代
栄養を制限した親から生まれた低体重の子供は、成長後に肥満に加えて糖尿病になりやすいことが確認されています。これは、レプチンを介して食欲に関連する能の構造が、“しっかり食事を摂る”と運命付けられることによるものです。
団塊世代の母親は終戦後で食糧事情が悪く、栄養が不足していたはずです。団塊の世代の人たちは遺伝子の影響よりも、“むしろ生まれる前の太る構造(体質)”を持っていることに注意し、食生活に注意した方がよいでしょう。

肥満症・内臓脂肪蓄積状態は、動脈硬化の引き金となります。また、高血圧・糖尿病・高脂血症のうちの1つでもある場合には、脳梗塞や心血管障害のリスクが高まります