新聞やテレビなどで取り上げられ注目されている“メタボリックシンドローム”。
この考えは、生活習慣を見直して合併症を未然に防ぐために提唱されました。

もっと核心を言うと“動脈硬化を防いで虚血性疾患を防ぐ”ことが最大の目的ということです。
肥満、特に内臓脂肪が多いと、悪玉コレステロールが増え、結果として動脈硬化が進行します。そこに、高血圧・糖尿病・高脂血症が重なると、今度は脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まります。

メタボリックシンドロームの基準に、よく“腹回り”の長さがとりあげられます。
現在の基準では、男性で85cm以上、女性で90cm以上が対象になるといわれています。女性の方が基準がゆるやかなのは、皮下脂肪の厚さを考慮した為です。

腹回り1cm分の内臓脂肪を減らすためには1kgの内臓脂肪を減らす必要があります。そのためには、7000kcalの消費が必要です。
これを1カ月で達成するためには、1日あたり230kcalを減らせばよいことになります。

食事と運動に振り分けて、食事だけの減量や運動不足による筋力低下と、片寄った食事内容にならないように注意しましょう。“適切な腹回り”を保つことは、健康維持のために大切です。
     
       ~薬剤師 鳥居英勝~