世界保健機構(WHO)は、アルコールとがんの因果関係についての見解を新たに発表した。
それによると、飲酒で顔が赤くなりやすい人の食道がんの発症率は赤くならない人に比べて最大12倍とのこと。

WHO傘下の国際がん研究機関(IRAC)によると、エタノールはがんを引き起こす元凶と指摘。アルコールの分解過程で重要な役割を果たすアルデヒド分解酵素(ALDH2)の一部が欠損し、働きの悪い人は、飲酒量に比例して食道がんになる危険が高まり、酵素が正常な人の最大12倍になるとした。

20年前にWHOが飲酒との関係を認定したのは食道がんと肝臓がんなど限られたがんだけだったが、今回は乳がん、大腸がんとの間にも因果関係があるのは確実とした。
アルコールを毎日50g(ビール大瓶2本程度)摂取した人の乳がん発症率は、飲まない人の1.5倍。大腸がんの発症率も飲酒しない人の1.4倍になるという。

国立病院機構久里浜アルコール症センターによると、『アルデヒド分解酵素の部分的欠損者は、日本人の35%、アルコール依存症患者の13%に達する。飲酒教育を早期から行うなど、新たながん予防策を講じることが重要』との見解を示している。

       ~読売新聞19/4/2より~