腰痛、膝痛、足のしびれ痛など、『いたみ』でお悩みの方が多くいらっしゃいます。特に晴天から急に雨になったり、どんより曇る日への変わり目には痛みがつらくなる様子。
鎮痛剤やシップ剤は、熱をうばい炎症を抑えてくれます。急性期で炎症がひどいときや、じっとしていても痛いときには有効です。ただ、ある程度時間が経って、動くときだけ痛みを感じるような場合には逆効果。そのような段階に入ったら、ほどよく温める方がよいようです。
その切り替えの目安は、お風呂に入って温まったときに気持ちいいなと感じるかどうか。気持ちいいと感じるようになったら温めると良いようです。
漢方薬も効果的です。たとえば、骨折や打撲、捻挫などを起こしたばかりの時には、熱をとり血流をよくすることが大切。腫れと痛みが早く引きます。
慢性化した場合には、気血の通りを良くすることが大切。必要に応じて活血剤や利水剤をあわせると効果がアップします。体質に合わせて気を補ったり腎を補うと、痛みの改善だけでなく体質改善にもつながります。
この急性期・慢性期の考え方は、ぎっくり腰の場合にも適用できます。
痛み・炎症は治癒反応の1つ。消炎鎮痛剤を長く続けて、熱を冷まし炎症を抑えてしまうと、その治癒反応をとめることになってしまい症状が長く続いてしまう事がにつながります。また、化学物質自体交感神経を興奮させるので、血流が悪くなってしまうことも、症状を長びかせる根拠の1つ。緊急の場合は良いにしても、長く続ける事には疑問があります。
『いたみ』克服のために、自分が本来持っている治癒力を高めて、治す機能を活性化してくれる漢方薬を上手に使う事をお勧めします。
~薬剤師 鳥居英勝~