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不育症をご存知でしょうか?妊娠後に、流産や死産を繰り返すこと。全国に約140万人いらっしゃるとのこと。昨夜夜9時のNHKニュースでも取り上げられました。

不育症の原因は、子宮の奇形・遺伝子の問題・高リン脂質抗体陽性・血液凝固系の問題(凝固能亢進)など。原因を特定して治療をすれば、85%が克服できることがわかってきたようです。

昨夜のニュースでは、胎盤に血栓ができて赤ちゃんに栄養が通わないために死産を繰り返すタイプの女性が、腹部にヘパリンという血流を良くする薬剤を注射することで良好な妊娠を保っているケースが紹介されました。

先ほど原因に挙げた中で、高リン脂質抗体陽性・血液凝固系の問題については、ともに血流が悪くなることが流産・死産に至る要因となります。そこで、漢方での対応としては、「血栓を生じさせないことと、血流を良くすること」がカギとなります。

血栓を生じさせないために有効なのは、田七人参。この生薬は、血栓を防ぐことが臨床的にわかっており、脳こうそくの予防にも使われています。また、血管内では血液が固まるのを防いで血流を良くし、同時に血管外への出血は抑えるという作用を有しています。

また、血流を良くするのには活血剤を用います。ただし、活血剤には理気剤といって気の流れを良くする生薬が入ったものや、便秘に利く牡丹皮など、上から下へさがる作用をもつ生薬が入ったものが多く、それらの生薬はおなかの中の子供を下に下げる、即ち流産を引き起こす可能性があるといわれており、妊娠中の服用には注意が必要です。体質に合わせて、安全な方剤を選ぶ必要があります。女性の妙薬である当帰芍薬散は、妊娠中のつわりに使うこと子もある漢方薬ですが、血液をやわらかく通す働きがあるので、安全な軽い活血剤として多くの方がお使いになれると思います。

流産・死産予防のためには、妊娠中は、補腎安胎といって、腎を補うことが大切。そうすると、流産しやすい方がおなかの赤ちゃんを保持する支えになります。脾を補うことも同様な作用があるといわれています。

不育症でお悩みの方が漢方で体造りをされる際は、腎や脾が虚していないかを見極め、必要であれば不足を補いながら、田七人参や安全な活血剤を服用することが有効であることが期待できます。

漢方薬は、どんなものであっても体質に合わせて服用することが大切です。主観的に自分の体を判断するのは難しいことで、客観的な判断が必要。気になる方はお気軽にご相談ください。 

      ~薬剤師 鳥居英勝~

下品な話かもしれませんが、用を足すと震えるのはなぜでしょうか?

色々調べたところ、諸説あるようです。

①排便によって体温が下がり、それを上げるために震えるという説。

②排便は気持ちが良い行為であり、その気持ちよさの反射として震えるという説。

③排便によって一時的に脳に血圧が通わなくなって、脳の血圧が下がり、それに対応して血圧を上げるために震えるという説。

それぞれ、なるほどと思う反面、本当かな~と首をひねってしまうような説です。

①の体温を上げるため説については、『立ちしょんべんの時は必ず震える、和式トイレでさしゃがんで用を足すと震えない。それは、座位の時は足腰に力が入っているので、熱を産生し続けているから。』ことから導き出した説のようですが、人によっては座位で用を足しても震えることもあるようなので、この説は当てにならなそう。そもそも、用を足したくらいでは局所的にも全身的にも体温が下がることはないようです。

②の気持ちが良いことの反射説については、どうなんでしょうか。何ともいいようがありません。

③の血圧を上げるため説についても、やはり疑問を抱いてしまいます。座位では震えることが無いということが根拠の1つになっているようですが、先ほども記しましたように座位でも震える人はいることがその根拠を否定してしまっています。男性の方で、立ちしょんべんをした時に頭がクラッとしたことがあるということを聞いたことがあるでしょうか?私も含めて、生まれてこの方そんなことは聞いたことがありません。肯定的に考えてみれば、立って排尿した後に、おしっこが溜まることで妨げられていた膀胱付近の血流が多くなり、そこに血が多く集まって脳に通う血液量が減って、脳の血圧低下、脳貧血状態が起きることは考えられなくもありません。でもな~という感じです。

私は、用を足すと震えるのは、『自律神経または迷走神経などの、神経の働きが関係しているのではないか』と考えています。すなわち、これまでおしっこやうんちが溜まっていた膀胱や直腸から、便が出ると、それらの臓器の形状はドラスティックな変化を受けるはずです。その際に当然自律神経も大きな刺激を受けるでしょう。つまり、膀胱や直腸がパンパンに張った状態から球にしぼんだ状態に変化する。そうすると、内臓の平滑筋は全て自律神経の支配を受けているので、その自律神経が反射的に反応し、交感神経・副交感神経が興奮というか迷走して、震えにつながるではないか。

また、そもそも排便という行為は副交感神経の支配を受けているので、おしっこ・うんちのときには副交感神経がガッと興奮した状態になります。そして排便中の後半及び排便直後には、反動で交感神経が急に活発になり、その働きで内臓及びその周囲の筋肉が瞬間的に震えるという現象になるのではないかとも考えられます。

いずれの場合も、内臓だけでなくその周囲の筋肉も、形状の変化や神経伝達の影響で同時に震えることが考えられます。

そういえば、寒い時に体温を上げるためにブルッと震えて鳥肌が立つのも、交感神経の働きによるものです。

この説が正しいかどうか、今度泌尿器科の先生に聞いてみようと思います。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

小さい子供を持つ私にとって、雨どいの下、庭の土など、どれくらいの線量があるのか気になるので、この度放射線測定器を購入することにしました。

環境の放射線レベルを測定するためには、ガイガーカウンターが必要。放射性セシウムが放出するγ線を測定するものであって、食べ物にかざして食品の放射線レベルを測定することはできない。シンチレーション式測定器を作っているメーカーか、その子会社製のものが良い。補正が利く機種が良い。

これらの基礎知識をもとに、どの機種が良いかインターネットを利用して調べたところ、正直どれが良くてどれが良くないのか分かりません。そこで、薬大に残っている学生時代からの友人に聞いてみました。

すると、開口一番、『精度から言ったら何といっても日本製が一番、無理ならばウクライナ製がいい』とのこと。ウクライナはチェルノブイリ発電所の原発事故を経験しているので、良い製品を作るメーカーがあるようです。ちなみに、『中国製は測る度に違う数値が出るからすすめられない。』とのことでした。

そうだろうな~と思いながら、お勧めの日本のメーカーを聞いたところ、『堀場製作所なら信頼できる』とのこと。同大学のアイソトープ棟で導入している機械にもこのメーカー製のものがあり、その会社のものならば信頼できるんじゃないかとのことでした。

早速このメーカーに問い合わせたところ、ラディ(型番PA1000)という機種があり、欠品する事態にはなっていないとのこと。10日程度で納品できるとのこと、すぐに注文し、今届くのを待っているところです。

値段は12.800円+消費税と、かなり高いのですが、これから長く使うことになるので思い切ってこれに決めました。ちなみに、この機種は多くの自治体でも購入し、地域の放射線レベルを測定するのに活躍しているようです。

届いたら早速、我が家の放射線量マップを作成しようと思っています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

我が家には、2人の子供がいます。1人は4歳の男の子、もう1人は1歳の女の子。

今朝、下の子が廊下で足を滑らせて転んだときに、柱に頭を打ってしまいました。泣き出したので抱きついてくるかと思いきや、その柱に強烈な頭突きをかましてさらに号泣。まるで、私に何すんのよ!と仕返しするような感じでした。この子は日頃から鷹揚であり、かつやられたらやり返す性格ではあったのですが、そこまでやるのかと関心してしまいました。

それに反して上の子は慎重でのんびり屋さん。同じ事があったらそんなことはせず、その場で助けが来るのを待つはずです。

そういう性格というか気性の違いは、どうして生じるのでしょうか?父親似、母親似で違いがあることは考えられますが、それを凌駕するような強烈なというか強い個性を持つ子供が生まれるのはなぜでしょうか?

以前、『妊娠中に厳しく体重管理をされた母親の子供は、神経質になることが多い。』ということを聞いたことがあります。おそらく、母親のストレスや、胎盤を通して胎児内に入ってくる栄養が関係しているのでしょう。

それを踏まえると、赤ちゃんの産まれ持った性格構築には、胎児のときの母親の過ごし方が関係するのではないかと思います。具体的にいうと、母親の栄養や水分の摂り方、精神状態、睡眠・運動などの生活の仕方。それらが、産まれる子供の性格に何らかの影響を及ぼすように思います。

統計的に調査すると、客観的に評価できるデータが得られるかもしれません。もちろん、親から受け継いだ性格というベースも踏まえて考えなければならないし、上の子と下の子という最初からライバルがいるいないという環境によるものも考慮しなければならないでしょう。

それらのデータから、『望む性格に生まれるためには、妊娠中どうすごしたら良いか』が分かるかもしれません。もちろん妊娠前から良好な身体造りをすることが大切ですが。

顧みると、子宝相談にいらっしゃってしっかりと漢方で身体造りをされたお母さんから産まれたお子さんは、性格がおだやかな印象があります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

『3日前の食事が今日の体調に影響する』という学説をご存知でしょうか。すなわち、今日体調が良いな、悪いなというのは、3日前に摂った食事が良かったか悪かったかが関係しているというもの。

発明王として知られるドクター中松さんが、何年か前にイグノーベル賞を受賞した研究です。

もしこれが本当だとすれば、例えば日曜日に野球の試合がある場合や、大事な試験がある時などは、木曜日の食事に注意した方が良いということになります。

ほかの栄養学者の話で、『食べ物は3日で考えると良い』ということを聞いたことがあります。例えば今日おかしを食べ過ぎてしまったら、後の2日で節制してバランスを取れば良いというもの。

両方とも3日という日数が一致するところが、それぞれの信憑性を高めています。

私は、『健康は正しい食事から得られるもの』だと考えています。毎日正しい食事を摂り続けることができればそれが一番ですし、そうするよう心がけています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

カユミでお悩みの方が多くいらっしゃいます。空気が乾いている秋~冬に多いのは乾燥性のカユミ。その場合、お風呂上りにたっぷりクリームを塗って保湿をしたり、当帰飲子という漢方薬を服用して肌を潤わせることで改善することが見込めます。

乾燥性ではなく、決まって夜になるとかゆくなる場合方もいらっしゃいます。皮膚科に通って抗アレルギー剤を服用したり、ステロイドの外用薬を塗ってもその場しのぎでやめたらまた戻ってしまう。このような場合、原因の1つに自律神経の働きが影響していることが考えられます。

日中仕事などで強いストレスにさらされていて交感神経が強く緊張しており、夜に家に帰ってフッと楽になった時にカユミが出る。これは、家でリラックスしたときに副交感神経が反射的にパッと優位になることで説明がつきます。

このような方は、お風呂に入ったときにカユミが増すことが多いようですが、入浴は身体をリラックスさせ副交感神経を高めるし、さらに温まることと皮膚の血流が良くなることでカユミ感覚が増すのも影響しているのでは。

また、夜間には自律神経支配の作用で副腎皮質ホルモンの分泌が減るので、炎症反応が出やすくなるのも一因かも知れません。

ではどうしたらリラックス時のカユミが和らぐのでしょうか?1つに、夜に生じる『交感神経と副交感神経の優位性が緩やかに逆転』すれば緩和されていくかもしれません。

そのためには、日中過度に緊張状態が続くことを避けることが何よりも大切だと思います。そうすることで、交感神経が極度に緊張することを防ぐことが出来るので、その影響で副交感神経も緩やかに立ち上がるようになることが期待できます。そのために、ストレスブロックといって、仕事中1時間に2~3回深呼吸をしたり軽い運動をしたりして、ストレスを短時間で切って行くと良いようです。爪揉みといって、爪の生え際を指圧するのも効果的でしょう。

また、ストレスを和らげる漢方薬や、自律神経を調整する人参の栄養剤を、生活に合わせて服用することも有効と考えられます。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

うんち、おしっこ、おちんちん。子供が大喜びするのはなぜでしょうか?

一説によると、子供にとって排尿行為はとても気持ちが良いことであって、それに関わるキーワードが大好きなんだそうです。

うんち、おしっこは絶対しないといけない生理行動ですが、子供にとっては快楽でもあるんですね。

一方で、お風呂。入浴は気持ちいいものですが、お風呂嫌いのお子さんもいると聞きます。気持ち良いよりも先に、服を脱ぐことの面倒の方が先に立つのかもしれません。

服を脱ぐことが面倒といえば、うんちをするときにズボンからパンツまで全部脱ぐ子の場合、そうでない子に比べて大きくなってから便秘になる率が高いようです。

その理由は、用を足すときに服を脱ぐことが面倒であるがゆえにトイレが嫌いになり、うんちをするのが遅くなるため。したい時にしないと習慣性便秘になりやすくなりますからね。

大人になってから便秘症にならないためにも、小さいうちから、ズボンとパンツは膝辺りまで下ろした状態で排便できるようにしておくと良いようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

皆さんご存知の半身浴。水圧による身体への負荷が軽いので心臓が悪い方でも安心な入浴法として知られています。

半身浴の最大のメリットは、身体が良く温まること。胸あたりから上がお湯から出ているためにのぼせにくく、長く入っていられるので、上手に入れば身体を芯から温めることができます。身体を芯から温めるためには、38~39度くらいのちょっとぬるめのお湯で、20~30分ゆっくりつかると良いようです。※温度と時間は気持ちが良いことが重要。

このような入浴法で得られる効果は・・・深部体温があったまる、末梢血管が開くので手足の冷えによい、体温が上がるので免疫力がアップする、リラックスすることで副交感神経が活性化されてぐっすり眠れる・同時にリンパ球が増えるので免疫力がアップする、代謝が良くなるので肥満解消に役立つ、などなど。

これから寒くなる季節ですので、身体の冷えが気になる方は、是非半身浴を試してみてはいかがでしょうか。半身浴の際は、肩が冷えないように、温かいお湯でぬらしたタオルをかけたり、かけ湯をすることを忘れないようにしましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

カリウム(K)は、緑黄色野菜に多く含まれているミネラルです。体内ではナトリウム(Na)と相関して、水液代謝や細胞が正常に働く上で重要な役割を担っています。

Kにはもう1つ重要な働きがあります。それは、放射性セシウムの体内への蓄積を軽減する働き。身体を十分なKで満たしておけば、放射性セシウムを摂取しても細胞に取り込まなくて済むため排泄が早いとのこと。

そのように人体に有益なKですが、自然界に存在するK原子の内、8800個に1個は放射性カリウムであるとのこと。平素から、我々は食事で微量ではあっても放射性カリウムを摂り続けており、健康を気にして緑黄色野菜を多く食べている人は、それだけ多くの放射性カリウムを摂取していることになります。

とはいえ、これまでベジタリアンが癌になり易いというデータを見たことはありません。原発事故後の放射性物質が気になる今の時期は、放射性セシウムに蓄積を防ぐためにも、やはり安全が確認された野菜などからKを多く摂取するメリットはあると思います。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

コーヒーを飲むと、ストレスが和らいだり眠気がすっきりするなど、色々な効用があることが知られていますが、香りを嗅ぐだけでもある効果が期待できるようです。

その効果とは、ストレス緩和作用。揮発性成分を嗅ぐことで、覚醒水準が低下して、抗不安様のストレス緩和作用が発揮されるとのこと。※その作用は、豆の種類によって違いがあるようです。

コーヒーは、含まれるカフェインによって覚醒作用があり、飲むと眠気がスッキリすることは有名ですが、香りだけを嗅ぐと逆に覚醒水準が低下するということは面白い情報だと思います。

夜ぐっすり眠るのに苦労している方は、コーヒーの香りを利用すると良いかもしれません。飲んでしまうと、カフェインによって眠れなくなることがあるので要注意です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~