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難治性のアトピー性皮膚炎に、食養生を重視しながら漢方療法を併用し治療を進める考え方があります。
このときに、漢方で推奨する和食の中心になるのは米です。

食事指導に米や発芽玄米を利用することで、アトピー性皮膚炎が良好な経過を示す例が多く報告されています。
その効果発現は徐々に現れます。
2年以上の経過観察において、臨床症状・検査値(IgE・LDH)ともにより明らかに改善傾向を示すことが判明しています。

アトピー性皮膚炎の改善には、体質改善が大切です。
毎日の食事療法と漢方薬で体質改善を長期的に図ることで、難治性の場合でも顕著な改善が期待できます。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『おりものの異常』中医学的には、おりものの異常を次のように分類します

①卵胞の発育に問題がある:排卵期に余りにも少なかったり、持続日数が短い場合。
※月経の持続日数と同じくらいであれば問題ありません。
②痰湿がある:排卵期以外のおりものが多すぎる場合
③陽虚体質:水っぽいおりものが大量に続く場合
④性感染症の疑い:色や匂いが急に変わった・黄色いおりものが大量に出る・匂いがきつい・カッテージチーズのようなおりもの

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『精子の通り道である精路の障害』精路が完全に閉塞している場合は手術が必要です。しかし、狭くなっている程度であれば、漢方薬が功を奏すケースが多くみられます。

中医学的には・・・

①湿熱・痰濁が原因の場合:理気剤や去湿剤・清熱剤を服用し、病理物質を取り除きます。

②お血が原因の場合:活血剤を服用し、血の滞りをなくします。

※臨床的には、腎陽虚や腎陰虚を兼ねる場合が多くみられます。その場合は、補腎剤を併用すると効果が高くなります。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『精子の異常』染色体異常や造精機能障害による無精子症を克服するのはかなり難しいですが、それ以外の場合には比較的短時間で精子の数や運動率を改善することができます。

中医学的な対応は・・・
・痰湿を取り除く
・湿熱を取り除く
・血の滞りをなくす
・気の滞りをなくす
・腎陽、腎陰を補う

証に合わせてこれらの対応を取ります。

また、生活スタイルの改善を合わせて行うことも大切です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『男性の不妊』精子や精液の量が少ない・運動率が低い・精子に奇形が多いなど、妊娠に至らない原因が男性側にあることがあります。
精索静脈瘤や生殖器の炎症などから、精路閉塞や射精障害が起きたり、あるいは勃起障害(ED)が起こっている場合もあります。

中医学的に分類すると・・・

①腎の問題:腎は生殖機能に深く関わります。この生殖器の源である腎に問題がある場合には、主に『精子の数や運動率の低下』が現れます。

②痰濁が原因:精子の通り道に、体に不必要な物質が滞ることで精子の動きが阻害されます。すなわち、精子の動きが悪くなります。

③お血が原因:血のめぐりが悪くなり、精子の動きが阻害されます。

ここで、痰濁・お血においては、精子の通路の障害が起こります。
臨床においては、いくつかの原因が複雑にからみあっていることが多く見られます。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『月経量の減少』:放っておくと無月経などの大きな問題に発展しかねません。
この場合、西洋医学・中医学両面でチェックをして、原因に応じた対策が必要となります。

西洋医学的には・・・

正常な減少:月経に関係するホルモンの分泌が鈍り、子宮内膜がだんだんと薄くなることにより、年齢と共に徐々に量が減り、日数も短くなって行きます。

異常な減少:ホルモンの状態が活発であるはずの20代に、月経量が少なかったり、月経日数が3日未満と短い場合には注意が必要です。
この場合、ホルモンのアンバランスによって、卵胞の発育不全やエストロゲンの分泌低下が起こり、子宮内膜の厚みと柔らかさが不十分になっていることが考えられます。

中医学的には・・・

①血が不足し、子宮が十分な血に満たされていないと考えます。また、不妊につながるような深刻な場合には、血虚だけではなく腎虚になっている可能性があります。
この場合、陰の時期の卵胞期を中心に腎を強め、血を補って行くことが大切になります。

②お血が関係して、排泄がうまくいかないと考えます。これには、冷えやストレスが大きく関わっています。
この場合、月経期に不必要となったものを完全に排泄できない状態であり、新しい内膜の増殖が妨げられ、卵胞の成長が阻害され、ホルモンバランスを乱す原因になります。
対処法は、月経期に活血化おを施し、その他の時期にも必要に応じて漢方薬を使い、月経リズムを正常な状態に戻して行きます。
※お血は、月経期に不摂生をするとさらに悪化する傾向があります。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『中絶』は、とても体に負担がかかります。場合によっては普通に出産した時よりも、ダメージがかかることもあります。

中絶により妊娠しづらくなる場合には、その原因に応じて次のような対処法をとります。

①子宮内膜に傷がついた場合:
※傷の部分の血流が悪くなり、お血が生じるて、それにより子宮内膜がうまく増殖・分泌できないと考えます。
対処法=活血と補血で、内膜の増殖を助け、月経周期と体の状態を整えて行きます。

②妊娠12週以降の中期中絶の場合:
※自然な出産より体へのダメージが大きくなります。この時に十分な栄養がとれていないと、気血や腎に問題が起こり、妊娠しづらい体になってしまうこともあります。
対処法=現時点での体の問題に応じて、対策を立てることが大切です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『不正出血』そのものが不妊の原因になるわけではありません。しかし、原因となる体の問題をそのままにしておくと妊娠してからも出血が起こり易く流産しやすくなる可能性があります。

月経期以外に出血がある場合には、まず

①子宮に病気がないか
を確認します。

子宮に器質的な異常が無い場合には、基礎体温が判別に役立ちます。

②基礎体温が一相性の場合:無排卵で不正出血がおきている状態です。

③基礎体温が二相性でちゃんと月経もある場合には、『出血が起きる時期・出血の色や期間・他に伴う症状』で原因と対処法が異なってきます。
a)出血の時期が排卵期で、量がごく少量の場合:問題はありません。
b)排卵期以外の出血の場合:
ア)色が薄いあるいは茶色っぽくて、だらだらと長く続く場合→気虚(特に陽気の不足)
イ)色が黒っぽい・塊が混じる・痛みを伴う→お血  ※子宮筋腫やポリープを抱えている人が多い。
ウ)出血の色が鮮やかな赤→血熱

不正出血が気になる場合、出血の時期・色・量を良く観察することが大切です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『排卵痛』痛みだけではなく、排卵期にイライラしたり落ち込むなど、情緒不安定になることもあります。
中医学的には、気血のめぐりが悪くなっていると考えます。

対処法は・・・
『気血をめぐらせる』ことを主とします。
また、冷えると痛みがひどくなる場合は、暖宮散寒を合わせて施します。

※排卵痛には、排卵障害が起こっていたり、子宮内膜症や卵巣膿腫などの病気がかくれている場合もあるので注意が必要です。

また、卵胞の中の水分(卵胞液)が不足し卵胞膜が十分に膨張できず破れ難くなり、卵子が飛び出すのに手間がかかって痛みがおきることもあります。
この場合、卵胞期に気血をめぐらせるだけでなく、卵胞期に陰を補って、卵胞内を十分な卵胞液で満たせるようにすることが大切です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『乳房の脹りや痛み』月経前に軽い脹りや痛みを感じる程度であれば異常なことではなく、むしろ正常です。

注意した方が良い場合は・・・
①生理前にひどく脹って痛む。
②低温期から胸の脹りや痛みが起こり、高温期になるとそれがされに激しくなって痛む。
時です。

①の場合、疏肝理気によって気血の流れを良くすることで解消します。
②の場合、肝血不足で肝気欝滞が起きていると考えられます(PMS)。これを放っておくと、月経周期に乱れが生じ、不妊につながるようなトラブルに発展することも考えられます。補血を施し、かつ疏肝理気により気血のめぐりを良くすることで解消します。

他に、乳房の脹りや痛みは、高プロラクチン血症や乳腺炎などが関係している場合もあるので、注意が必要です。

また、全く乳房の脹りを感じない場合、ホルモンレベルが低い可能性があります。
この場合にも、原因に応じた対応が必要です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~